今はどんな宿もSNSや写真でチェックできる時代。
でも、“居心地”って、実は写真じゃわからないんですよね。
このヴィラ「LA MAISON BLANCHE」を設計するうえで、私たちが何より大切にしたのは、
「その場に流れる空気が心地いいこと」でした。
この記事では、写真だけでは伝わらない、この宿にしかない“空気”についてお話しします。
音のない時間に価値があると信じています
このヴィラは、読谷村の中でも特に人通りの少ないエリアにあります。
車の音や観光客の足音が聞こえてくることもほとんどありません。
静かすぎると感じる方もいるかもしれませんが、
実はこの「音がないこと」こそが、この場所の魅力のひとつだと思っています。
会話も自然と小さな声になり、聞こえてくるのは風の音や鳥の声だけ。
そういう時間って、旅の中でいちばん“整う”瞬間なのかもしれません。
空間設計は、視線と距離感を徹底的に意識しました
ヴィラの中は、白を基調にしながらも各寝室には微妙に違うカラーや光を取り入れ、
「誰かと一緒にいながら、ひとりの時間も保てる空間」を目指しました。
誰かと過ごす旅でも、常に同じ空間にいるのは意外と疲れるもの。
でもこのヴィラなら、“一緒にいるけど、ちょっと離れる”が自然にできる構造になっています。
視線がぶつからない、音が届きすぎない。
そんな小さな工夫が、滞在の快適さを支えています。
五感でしか気づけない、“整った空間”の正体
この宿に流れる空気感は、写真では表現できません。
それは照明のやわらかさだったり、風の抜け方だったり、匂いのなさだったり。
つまり、「五感で受け取るもの」なんです。
“なんとなく落ち着く”
“気づけば深呼吸していた”
そんなふうに感じてもらえるように、目立たない部分にこそ手をかけて整えています。
この空気に触れて、ただ何もしないという贅沢を
観光もいいけれど、何もしない1日を過ごすって、実はすごく贅沢なこと。
このヴィラには、派手な演出も、豪華な設備もありません。
でも、何もしなくても「ちょっと満たされた気持ちになる」ような空気が、たしかに流れています。
そんな空気の中で過ごす時間が、旅の一番の思い出になるかもしれません。